阪神がファーム日本選手権で巨人を8-4で下し、12年ぶり5度目の優勝を飾った。ウエスタン・リーグ優勝時は敗戦後の胴上げだったが、会心の逆転勝利で日本一となり、矢野2軍監督が宙を舞った。「めちゃくちゃうれしいですし、うちの野球がしっかりできて勝てたのが、よりうれしいですね」と振り返った勝利は、今季選手に求め続けた「超積極野球」だった。

1点を追う4回だった。先頭の高山が初球打ちで右翼線二塁打。続く板山が中前打を放ち、すぐに同点に追いついた。山崎の押し出し死球で勝ち越し、なおも1死満塁と好機が続いた場面でルーキー熊谷が2球目を仕留めて左前適時打。積極的な攻撃が、この回一挙6得点の下地となった。熊谷は2安打1打点1盗塁で最優秀選手(MVP)に選ばれ「緊張感のある中でやれたので、いい経験になった。チームに貢献できて良かった」と振り返った。

来季1軍ヘッド格での就任プランも判明している矢野2軍監督は、優勝インタビューで「1軍は本当に苦しいチーム状況ですけど、僕は将来を見据えた時に楽しみな選手がたくさん出てきてると思っています。近い将来一緒に強いチームを作っていきましょう」。今季Aクラスを逃した1軍の逆襲を力強い言葉で誓った。