巨人高橋由伸監督(43)が「究極の選択」で“10・9決戦”を制し、CS進出へと導く。8日、甲子園でレギュラーシーズン最終戦となる9日の阪神戦に向けて最終調整した。3位確定までマジック1。同じ午後6時開始のDeNA戦の結果次第でもAクラス入りを決められる。エース菅野はベンチで待機し、メルセデスが大一番の先発。迫る13日からのCSファーストステージも念頭に戦況を見極めながら、ジョーカー菅野の投入を決める。

運命の分岐点となる今年最後の伝統の一戦を前日にしても、高橋監督は穏やかだった。今季限りでの辞任が決まっているからなのか、心中は伺い知れない。だが、達観したような雰囲気がにじみ出ていた。「普段と同じようにやらなくちゃいけないけど、状況が同じとは言えないからね。でも、やれることはいつもと変わらない」と重圧を歴戦で築いた器に収めた。

エース菅野はベンチ待機となった。中4日での先発準備もしたが、CS進出へマジック1と優位に立つ。3位が決まり、13日のCSファーストステージ初戦に投入するためには極力、起用は避けたい。

自力も、他力もある。CS進出のパターンは多岐にわたる。巨人が勝てばシンプルに決まる。引き分けてもDeNAが引き分け以下なら決定。敗戦でも、ライバルが共倒れで敗れれば進出となる。同じ午後6時から行われるため、判断がさらに難しくなる。自軍、DeNAの大量リードや大量ビハインドでも変わる。究極で言えば、巨人が敗色濃厚でDeNAの勝利が決定的でも、無用に菅野を投入せず、相手の10日の最終戦に運命を委ねる選択肢もある。

「まずは総力戦。そのあとは状況次第だね。菅野は明日の状態を見てから」。理想型も追求する。「普通に戦って、普通に勝つのが一番」。王道を軸に、機を見て変化する。

▽巨人菅野(ベンチ待機に)「準備はしっかり、(中継ぎ投入で)そうなったら腹をくくって投げます。優勝を逃してからCSへ、みんなが同じベクトルに向いてやってきたつもり。そこで自分を頼ってもらえるのはうれしい。しっかり形で恩返ししたい」