富士大から初めてドラフトで2人が同時指名を受けたが、先に名前を呼ばれたのは西武7位の佐藤だった。会議スタートから2時間が過ぎた午後7時1分、佐藤の名前がコールされると、張り詰めていた会見場の空気が和んだ。

縁のある西武だった。13年から山川、外崎、多和田と3年連続でOBを輩出し、いずれも今季リーグVの原動力になった。また、西武には、北海のチームメート戸川大輔が4年前に育成1位で一足先に入団。佐藤は「3人の先輩がいて、高校の同級生もいる。親近感がある」と好印象を口にした。グラウンドでの記念撮影では、西武山川のユニホームに袖を通し、仲間の肩に乗って楽天8位の鈴木翔天投手(4年=向上)と喜びを爆発させた。

強打堅守が武器。1年時から3度のベストナインに輝き、打率、本塁打、打点のタイトルもそれぞれ1回獲得。対戦したい投手には楽天則本を指名し、「高校では通算2本塁打だったが、大学では(練習試合を含め)20本を超えた。成長できた」と、胸を張ってプロの世界に飛び込む。【中島正好】

◆佐藤龍世(さとう・りゅうせい)1997年(平9)1月15日、厚岸町生まれ。厚岸真龍小2年で野球を始め、厚岸真龍中では釧路シニアに所属。北海では甲子園出場なし。富士大では1年春からリーグ戦に出場し、3年春に首位打者と本塁打王、同年秋に打点王に輝いた。全国は春4度、秋1度出場。174センチ、80キロ。右投げ右打ち。家族は両親と弟、妹2人。平昌五輪スピードスケート女子団体追い抜き金メダルの佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)は父方のいとこ。