阪神ドラフト1位の大阪ガス・近本光司外野手(23)が10月31日、社会人連続日本一を手土産に虎入りを飾る意気込みを明かした。大阪市内のホテルで、「社会人野球日本選手権」の前日会見に登場。同席した阪神同4位のホンダ・斎藤友貴哉投手(23)らの“仲間撃ち”で、7月の都市対抗に続く全国制覇を目指す。まずは今日1日の初戦、鷺宮製作所戦(京セラドーム大阪)で勝利を導く。

突然の指名に、マイクを持って照れた。期待の高さを表す無数のフラッシュが近本の顔を輝かせた。

近本 まさか…。自分の名前が挙がるとは思ってなかったのでビックリしました。

会見に同席した同学年の153キロ右腕、ホンダの斎藤から挑戦状をたたきつけられた。

斎藤 都市対抗の覇者である大阪ガスと準決勝で試合ができればと思う。個人では、近本選手。阪神では同じチームになるので、自分が打ち取って勝ちたい。

一瞬、戸惑いの表情を浮かべた近本だが、落ち着いた口調で応戦した。「強いストレートに力負けしないように合わせていきたい。真っすぐで勝負してくるだろうと思うので、それに振り負けないようにしたい」。そして続けた。「打つだけじゃないので。ランナーに出て、盗塁できるように頑張りたい。自分が(打席で)負けないように、というのを思って。冷静に状況判断して打席に入りたい」。柔らかな笑みを交えてコメントしたが、内心はメラメラだったに違いない。

両者が順当に勝ち上がれば、11日の準決勝で戦うことになる。ホンダにはドラフト3位の木浪聖也内野手(24)も在籍。近本が狙うはもうすぐ仲間になるライバルを倒しての「2冠」だ。

「(7月の)都市対抗は優勝できたので、日本選手権は連覇がかかっている。日本一を取れるように頑張っていきたいです」

今日1日の鷺宮製作所戦から、プロ入り前最後の公式トーナメントが始まる。「(都市対抗と)連覇は難しい。来年に向けた課題も見つけていかないといけない大会になる」。優勝を導いた都市対抗では、MVPにあたる橋戸賞を受賞する大活躍。ドラフト1位に評価を上げるきっかけにもなった。今度はプロでの活躍を見据えて優勝に導く意気込みだ。【真柴健】