西武からドラフト4位指名された東日本国際大(福島・南東北)の粟津凱士(かいと)投手(21=山本学園)が1日、いわき市内の同大で指名あいさつを受けた。渡辺智男編成部アマチュア担当部長代行(51)と水沢英樹スカウト(49)の訪問に、粟津は「行きたかった球団。本当にうれしい。西武のために戦力になりたい」と宣言。高校、大学通じて初のプロ選手として、気持ちを新たにした。

相思相愛だった。粟津は3年秋のリーグ戦で3勝をマークし、開花した。原動力となったのは独学で学んだシンカーだった。動画サイトで同じ右横手投げの元西武潮崎哲也(49=現2軍監督)のシンカーを握りから研究した。中指と薬指に球を挟み、120キロ前半で1度浮いてからシュート気味に沈む魔球を習得してから投球の幅を広げた。「潮崎さんには投球のすべてを聞きたい」と弟子入りを早速志願した。

西武の補強ポイントとも一致した。今季はリーグ最高の得点力を誇ったが、一方の投手陣はリーグ最低の防御率4・24に沈んだ。渡辺部長代行は「キレもコントロールもよく、シンカーが素晴らしい。ウチにはいないタイプ」と絶賛。1年目から1軍入りを狙う粟津も「上のレベルで通用するように今も意識高く練習している」と意気込んだ。

有終の美を飾る。9日開幕の明治神宮大会に初出場する。「全国では結果を出したい。プレッシャーを力に変えたい」。一足先に神宮で「潮崎2世」の名をとどろかす。【高橋洋平】