巨人が、FA権行使を決断した西武炭谷の正捕手獲得を調査を本格化させる。大黒柱だった阿部が正捕手を退いた15年以降、チームは球団ワーストタイとなる4年連続V逸。原監督は守備力を土台に接戦に強いチームを作り上げ、2度の3連覇を達成してきた。再々登板に向けたチーム改革の軸の1つが、捕手陣の再強化だ。

炭谷はルーキー時から扇の要を守り、通算1169試合出場。リードにも定評があり、投手陣を厳しく教えながら引っ張ってきた。通算盗塁阻止率も3割4分と安定した数字を残す。打撃を長年、課題としてきたが17年は打率2割5分1厘。今季は森の台頭もあり、出場機会は47試合にとどまったが、2割4分8厘をマークし、得点圏打率3割4分5厘と勝負強さも示した。脂の乗った32歳で来季を迎え、力量は申し分ない。

近年は一塁手だった阿部が今オフに捕手復帰を決断。来季は4年ぶりの捕手出場を目指すことになった。40歳を迎え、コンディション的に正捕手は難しく、要所での出場で存在感を発揮しながら捕手陣全体を支援していく構えだ。阿部以降は正捕手を務め、侍ジャパンにも名を連ねた小林も命題の打撃向上に取り組む必要がある。炭谷の存在はチームに安定を取り戻し、小林、大城、宇佐見ら若き捕手陣への最高の教材となりえる。

FA宣言すれば、炭谷獲得に乗り出す可能性は高い。反攻への態勢づくりに、腰を据えて着手する。