矢野流の「心の改革」が鮮明に現れていた。阪神矢野燿大監督(49)が秘蔵っ子の守屋功輝投手(24)にほれ直した。
6日は安芸キャンプでシート打撃を実施。もっとも目立ったのがサイド気味に右腕を振る4年目の守屋だ。生き残るために容赦なく懐を突いた。原口を内角高め速球で空振り三振。好調の大山も内角速球でバットをへし折る三ゴロに封じるなど打者7人を鮮やかに“完封”した。
声を上ずらせたのは指揮官だ。「使えるんやって、ホンマに!!」。熱っぽく続けた。「今日もアイツは首を振ってインサイドを投げていた。カウントが難しいところで、インサイドに、しかも味方相手に投げていけたのはスゴイ。今日なんか、すごいピッチングじゃん。あいつが一番光っていたじゃん」。今季、1軍で4試合登板にとどまり、防御率11・57と不本意だった。崖っぷちに立たされる境遇でも、2軍監督だった指揮官が、後押しする言葉を掛けていた。
6月の日本ハム戦(札幌ドーム)で中田に痛打された。「札幌ドームで打たれて帰ってきて、中田翔にスライダーばかり投げて」と当時を思い起こす。再び2軍に降格して顔を合わせると諭した。「お前の一番いい球、何やねん。俺は真っすぐやと思うで。捕手に何でもウンウンと(うなずいて)投げさせられたら悔い残るぞ」。真っ向勝負で挑む。生きざまを示したマウンドだ。
2軍で今季チーム最多39戦に投げたが、4年間は1軍で9試合登板、防御率10・38だ。それでも矢野監督は中継ぎ候補として認める。「俺は全然、守屋も競争に入ってくると思う」。守屋は気を緩めない。「捕手が構えているところにいかなかったのは課題」。この日の最速は149キロ。新たなシンデレラストーリーに注目したい。【酒井俊作】



