日本新薬が、西武榎田の弟、榎田宏樹投手(30=日本文理大)の7回無失点の好投により、準々決勝へと駒を進めた。

榎田は、1回戦の王子戦にも先発したが、5回途中で左足がつり、無失点ながら降板。しかしこの試合では「うまく力を抜いて投げられた」と安定した投球を見せた。直球とチェンジアップを有効に使い、2回から4者連続三振を奪うなど、7回を投げて被安打3、9奪三振の投球で相手打線を沈黙させた。打線も、初回に指名打者・中稔真(24=上武大)の適時内野安打で先制すると、その後も得点を重ね、4-1でパナソニックを下した。

試合後、吹石徳一監督(65)は「日本シリーズを見ていても、ミスした方が負ける。守りでリズムを作る、新薬らしい勝ち方ができた」と1回戦に続き無失策の守備に手ごたえを感じていた。

2戦続けて失点を許さなかった榎田も「今日は打者を見ながら投げることができた」と納得の投球。1日に行われた1回戦では、兄の、西武・榎田大樹投手も観戦していたという。「自分の活躍よりも、兄貴が活躍しているところを見る方がうれしい」と兄を慕う榎田。「少しでも勝利に貢献できるように、今日、明日で調整します」。9日の準々決勝まで中1日、エース左腕・榎田が、チーム初のダイヤモンド旗を目指して、腕を振る。