今季2季ぶり2度目のリーグ最優秀中継ぎに輝いた日本ハム宮西尚生投手(33)が、保有する海外フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留する意向を固めたことが7日、分かった。

早くから水面下で慰留に努めてきた球団側が、この日までに2年総額約5億円の条件を提示する方向で準備を進めていることが判明。5日に左肘の手術に踏み切っても変わらなかった高評価に、残留へ気持ちが傾いたとみられる。手術後初めて千葉・鎌ケ谷の2軍施設に現れた宮西は「FAについては話しません」と言いながらも「球団には評価はしていただいていると思う。最大限の誠意を感じた」と口にした。

入団1年目の08年から、11年連続で50試合以上に登板し、3度のリーグ制覇に貢献してきた左の鉄腕。阪神やオリックスが獲得に興味を示した昨オフは、通算600試合登板や通算最多ホールドの記録更新を狙って残留を決めたものの、希望する複数年契約は得られなかった。今季はエース大谷(エンゼルス)抑え増井(オリックス)の流出で手薄となった投手陣を支え、目標を次々とクリア。ブルペンエースとして、開幕前は最下位予想が多かったチームをクライマックスシリーズ進出へと導いた。

かねて「権利を行使するなら今オフが最後のチャンス」と熟考を重ねてきた。安心してプレーに専念できる環境を整えてくれた球団側に、現役生活を日本ハムで全うする覚悟は決まったようだ。