ロッテからドラフト4位指名された明桜(秋田)山口航輝投手(18)が、将来的に二刀流を目指す覚悟を示した。14日、秋田市内のホテルで契約金4000万円、年俸560万円(推定)で正式契約を交わした山口は「あこがれの大谷選手を目標にやってみたい」ときっぱり。高校通算25本塁打を放ったパンチ力が買われ外野手として指名されたが、2年時は最速146キロの剛腕エース。金足農・吉田輝星投手(17)にも投げ勝っている。

ピンストライプのユニホームに袖を通した山口は、「あらためてプロ野球選手になったこと実感した。ホームラン30本以上打てるような選手を目指したい。フルスイングと右方向への強い打球が自分の持ち味。それを生かして頑張りたい」とプロ入り後の目標を口にした。その上で、あこがれのエンゼルス大谷翔平投手の名前を挙げ、胸に秘めていた思いを吐露した。

山口 大谷選手にあこがれて、2年生のときから投手としても打者としてもできるように取り組んできた。二刀流は諦め切れていません。

2年の夏、金足農との県決勝で右肩を亜脱臼。選手生命に関わる大けがとなったが、夢は捨てなかった。「この先野球ができなくなる不安もあったけど、皆が支えてくれた。あれでメンタル的にも大きく成長できた」と苦境をプラス思考で乗り切ってきた。ロッテの永野吉成チーフスカウト(50)は「実は本人も投手をやりたいと言っていますが、まだリハビリ中なので、外野手として打者としてチャレンジしてもらいたい。スイング力とパワー、脚力があるところが魅力。回復して外野からの返球でアピールすれば現場の首脳陣が何らかの方向性を考えてくれると思います」と、投手復活に含みを持たせた。

日本ハムに1位指名されたライバル金足農・吉田とは同リーグで戦う。投打どちらの対決となるかわからないが「夏は彼を打てずに負けた。プロでその借りをしっかり返したい」と言い放った。【下田雄一】