東海大北海道の赤尾光祐外野手(2年=東海大相模)が、12月1日から愛媛・松山で行われる侍ジャパン大学代表候補強化合宿に初参加する。同合宿は来年7月に予定されている日米大学選手権の代表選出に向けたアピールの場。東海大相模2年で夏の甲子園優勝を経験し、昨年の全日本大学選手権では豪快な1発を東京ドームのスタンドに運んだ長距離砲が、日の丸入りへの1歩を踏み出す。

北海道で進化した姿を披露する。今秋の札幌6大学リーグで、赤尾は2年生で4番を担い、10戦でリーグ最多タイの4本塁打を放ち、初のベストナインに選出された。「自分の武器は長打と、チャンスでの勝負強さ。何とか代表候補合宿で自分の力を出して、少しでも名前を覚えられるようなプレーをしたい」。あこがれの西武山川のように、まずはインパクトある打撃で、アピールを開始する。

東海大相模2年の夏、背番号18で全国制覇を経験も、自身は神奈川県大会で1試合に出場しただけだった。聖地では1打席も出番なし。2年の秋、3年の夏はともに県大会8強止まりだった。1度も1ケタ背番号を得られず、甲子園で勝負することもできなかった。もどかしかった3年間を振り返り「何とか北海道で頑張って道を切り開きたいと、やってきた」と前を向いた。

ハングリー精神で1年春からレギュラーを勝ち取り、昨春の全日本大学選手権2回戦の桐蔭横浜大戦では、2-3の7回に逆転2ランを東京ドームの左中間スタンドに運んだ。「全国で打てたのは自信になったけど、140キロ台後半の投手には対応できなかった。今度の候補合宿では力のある投手が集まる。どれだけ成長したか確かめたい」。アピールと並行し、現在の立ち位置も見定めてくる。

今回の合宿には、新戦力を中心に40人招集された。複数回の候補合宿を経て来夏、最終的に24人に絞られる。18年日米大学野球代表には、今秋ドラフトで西武1位の松本航投手(日体大)、楽天1位の辰己涼介外野手(立命大)らがおり、最終メンバーに残れば、2年後のドラフトへ大きなアドバンテージになる。同じ外野手には高校の1年先輩、豊田寛(国際武道大3年)もおり「あこがれの先輩だけど、負けられない」。夢のプロ入りに向け、しっかり爪痕を残してくる。【永野高輔】

◆赤尾光祐(あかお・こうすけ)1999年(平11)2月22日、東京・昭島市生まれ。昭島光華小1年時に光華グリーンズで野球を始める。東海大菅生中から東海大相模に進み、2年夏は背番号18で全国制覇を経験。東海大北海道では1年春からメンバー入りし、昨春の全日本大学選手権で道勢43年ぶり4強に貢献。家族は両親と兄、姉。181センチ、93キロ。右投げ右打ち。