社会人野球とパワプロの二刀流選手、日本ハムJOY戦士(21=本名・及川裕也)が、リーグ戦初勝利を挙げた。

これまで2試合で1得点だった貧打から一転、3本塁打で8点を挙げてオリックスいちろーに8-6で競り勝った。「やっとここに来られた。(最後は)心拍数がバクバクでした」と笑顔で振り返った。

札幌国際大に在学中だが、社会人野球のクラブチーム、札幌倶楽部にアンダースロー投手として所属している。最速は130キロで、スライダー、シュート、フォークボールが持ち球。「パワプロを意識して、違う方向の変化球を投げています」。リアルの野球で来季の目標は、プロアマ交流戦で日本ハムの2軍と対戦すること。将来的には「パワプロのプロが、本当のプロになったら面白い。若いうちに狙いたいです」とクラーク博士ばりの大志を抱いている。

パワプロでは全球で「強振」という、ミート率が下がるが長打の確率が上がる打法で臨んでいる。だが、実際の野球では「打撃は大の苦手」で、北海道尚志学園時代の高校通算本塁打はゼロ。「自分ができないことをゲームでやってやろうと思っています」。投手らしく配球の読みは抜群で、この日も内角球を読み切り「パワーD」という非力な設定の石井一成で勝ち越し本塁打を放った。

小学1年からパワプロを始め、小学2年から少年野球を始めた。オフシーズンが長い北海道で、冬はパワプロ、春から秋はリアル社会人野球に軸足を置く、変わり種選手。札幌倶楽部の主将からも二刀流挑戦を応援されている。この冬はまず、パワプロで全国に名前を売っていく。【斎藤直樹】