阪神ドラフト1位の大阪ガス・近本光司外野手(24)が13日、東京都内のホテルで行われた「2018年度社会人野球表彰」にて、外野手部門でベストナインを受賞した。壇上では「入社してからずっと目標だった。(都市対抗で)日本一になれたことも(今後の)野球人生のプラスになる」と語った。

社会人時代からフォア・ザ・チームの精神を持っており「チームが勝つためにはどうすべきか。その場で自分のやるべきことを考える。アウトになってもいいので進塁打、塁を進めるだとか、勝つための1打席を尽くす。数字を気にしてばかりだとチームに迷惑を掛けてしまうので」と真っすぐに前を向いて話した。

矢野監督も大切にしている「自主性」と「主体性」を意識している。大阪ガスでは練習メニューを選手たちが話し合ってコーチ陣に提案していた。「選手たちがチームの状況を1番知っている。それをコーチに相談して、監督に持ち上げてもらって練習内容を変更したりしたこともあった」。そうすることで責任感が増したと言う。「練習内容を変更するということは、選手たちの責任感も芽生えてくる。そこで、試合でもっと結果を残していこうともなった。積極的野球で全体の意識が変わった」。

さらに矢野監督が掲げている超積極的野球について、近本は「しっかり体現できたらな」と前のめりの姿勢をみせた。

壇上に上がっても慢心はなかった。「守備も走塁も、もちろん打撃も今よりも頑張らないといけない。社会人では通用していた部分もプロでは通用しないと思う」。だからこそ、必死で練習に取り組んでいる。今オフはドラフト1位指名を受けて、イベント行事に参加する機会が多くなった。練習時間の確保が問題視されたが「今日も朝9時50分の新幹線で(東京に)移動だったので、8時30分ぐらいに家を出たらいいなと思っていた。その時間だったので、今日は練習ができないと思っていたんですけど、7時からグラウンドでトレーニングができました。ちょっとでも時間があればグラウンドの方に行って、スタッフやコーチに練習を手伝ってもらったりしています」と積極的に体を動かしている。多忙でもできる、セルフコントロールは、厳しい世界でも大きな武器となるはずだ。【真柴健】