日本ハム栗山英樹監督(57)が20日、新たに台湾球界から獲得した「大王」こと王柏融(ワン・ボーロン)外野手(25)について、来年2月の米アリゾナ1軍キャンプに同行させる考えを示した。王はこの日、今日21日の札幌での入団会見のため来日。同便で帰国した指揮官は「今の台湾の温度を考えると、暖かいところの方がいいのかなと思う」と、12月でも最高気温20度を超える台湾の気候も考慮した。

台湾では、昨季まで2年連続打率4割以上を記録した台湾史上最強の左打者。とりわけ栗山監督が注視するのが、長打の多さだ。4年間の通算長打率は6割4分6厘と高い(中田は4割4分1厘)。日本では現在、球場にテラス席を設けるのがブームで、長打が試合の行方を大きく左右する。「4割のうちで長打が多いのは、すごくまれなこと」と王の魅力を評価し、同い年でチームきっての安打製造器、近藤との相乗効果を期待。「柏融もコンちゃん(近藤)も、2人にとってチャンス。4割を打つ、そういう打者を育てたい」。日本では、規定打席に到達した4割打者は、まだ1人もいない。「これだけの選手を預かって、俺の方がプレッシャーがある」としながらも、日本球界初の4割打者育成という新たなミッションに意欲を燃やした。【中島宙恵】