新大砲は30発OK!! 阪神矢野燿大監督(50)が24日、来季の新外国人として大筋合意に達しているジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルスFA)の力量に太鼓判を押した。右打ちの長距離砲に見込んで獲得間近。メジャー通算30本塁打の力量があり「(シーズン)30発くらいは打てるんじゃない?」と予言した。4番の筆頭候補として明言し、一塁を定位置に据えるプランを語った。

虎党に耳寄りなクリスマスプレゼントだ。今季は01年以来、17年ぶりの最下位に沈んだ。屈辱のシーズンから逆襲を期すべく、今オフは大補強を敢行。生命線は長打を打てる助っ人野手だった。20日に大筋合意に到達。矢野監督も朗報に接し、気持ちは募る一方だ。

「なかなか(人選は)難しいところもあるなというのが俺の初めての(印象)だけど。こうやって決まって。右の長打を打てる打者というのは理想に挙げていた選手だから。ひとまずホッとしているけど、早く自分の目で見てみたい」

メジャー通算30本塁打の実力者で、今季は大谷の同僚としてエンゼルスで90試合に出場して7本塁打をマークした。もちろん、指揮官も映像で確認済み。打撃を見て「パワーはあると思う。うまく打つ感じがどれだけあるか分からないけどツボにハマれば間違いなく本塁打を打てるタイプ。うちの打線でいえば本塁打は欲しい部分。補ってくれるというか、やってくれる感じはする」と好印象だ。

16年には88試合で15発を放った爆発力がある。強振して引っ張り込む豪快な打撃は魅力的だ。「メジャーでも14本か15本ぐらい、シーズンでも。パワーは申し分ない。30本くらいは打てるんじゃない?」と本塁打数を予測した。今季は大砲に見込んだロサリオが不発で、期待外れの8本塁打にとどまった。得点力に直結する補強だけに、慎重を期して12月までずれ込んだ。念には念を入れて獲得した助っ人に30発をもくろむ。

広い甲子園を本拠地にする阪神の右打者で30本塁打以上は03年アリアスの38発を最後に遠ざかる。来日1年目での「大台」到達なら実に89年フィルダーの38本塁打以来、30年ぶり。スケールの大きい目標になりそうだ。もちろん、指揮官は「日本の野球に順応できるかとか来てみないと分からないけど」と言い、冷静に力量を見極める。それでも、4番の筆頭候補に挙げた。

「うちは左打者が多くなる可能性がある。4番を打ってくれたら打順として、いろいろハマる。前後が組みやすいというのはある。理想はやっぱり4番」

待ち望んだ本物が来るのか。指揮官の思惑通りに打ちまくれば、反攻の原動力になる。【酒井俊作】

◆ジェフリー・マルテ 1991年6月21日、ドミニカ共和国生まれ。07年プロ入り。15年にタイガースでメジャーデビュー。16年からエンゼルスでプレー。メジャー通算256試合、打率2割2分2厘、30本塁打、91打点。メジャーでは一塁、三塁、左翼を守った。185センチ、99キロ。右投げ右打ち。