西&ガルシア獲りで一石二鳥大作戦!! 阪神矢野燿大監督(50)が新戦力の西勇輝投手(28=オリックス)とオネルキ・ガルシア投手(29=中日)に“捕手教育”を期待した。ともに球威だけでなく制球など投球術で勝負するタイプ。捕手目線で「いい勉強になる」と歓迎した。今オフの大型補強が、レギュラーを争う梅野や原口ら捕手陣のレベルアップに一役買いそうだ。

今季2桁勝利を挙げた実力派投手2人の加入は、捕手陣にも波及効果がありそうだ。矢野監督が「やっぱりコントロールとか緩急とか、そういう投手を受けるのは幅がすごく広がる。リュウ(梅野)やフミ(原口)や坂本にしてもいい勉強になる」と捕手目線で期待した。

オリックスから加入した西は今季10勝を挙げた。これまで5度の2桁勝利など通算74勝の実績を誇る。「内外角の魔術師」と言っていい。右打者の懐をシュートでえぐり、外角への鋭いスライダーなどで打者を仕留める。投球術を駆使するタイプだけに、捕手のリードもカギを握るだろう。

捕手力向上の格好の教材になる。矢野監督は「どちらかといえば、バットに当てて打ち取らせる投手は捕手の成長もあるし、捕手の力でどっちにも転がる部分もある」。来日1年目の今季、中日で13勝を挙げた左腕ガルシアも球を動かし、ゴロを打たせて取るタイプだ。配球面の工夫もポイントになる。

投手が捕手を育てる。矢野監督も現役時代に痛感した。遠山、葛西、弓長、伊藤敦ら技巧派の投手が活躍した当時、野村監督に言われたという。「あんまり球が速くない投手をどうするかは、お前にとってすごくいい勉強になる」。若き日を思い起こし、指揮官は明かす。「昔のヤクルトの時の古田さんもそうやったという話をされていた。実際、そう思う。だからこそ、より投手とコミュニケーションを取ってどうしようかと考える」。西&ガルシアには白星量産と捕手教育の“一石二鳥”を期待する。

今季は梅野が初めてゴールデングラブ賞に輝くなど正捕手に最接近。一方、原口は代打に甘んじず、新婚坂本も巻き返しを期す。捕手バトルを促す投手補強になりそうだ。【酒井俊作】