名門の宿命から逃げるな! 巨人ドラフト1位の八戸学院大・高橋優貴投手(21)が2日、茨城・笠間市にある中学時代に所属した友部シニアのグラウンドで自主トレを公開した。約30メートルのキャッチボールなどを披露。恩師の金言を胸に「ここからが勝負。もう1回気合を入れ直してやりたい」と気持ちを新たにした。

同シニアの原田明広監督(52)は巨人OB。84年ドラフト外で入団し、桑田真澄氏が1年後輩のドラフト1位だった。「報道陣も多いし、巨人のドラ1は大変なことは多いと思う。桑田がどれだけ追っかけられてきたかを見てきたので」。PL学園から鳴り物入りで入団し、注目され続けた後輩を見てきただけに、心配もある。当時の記憶をたどりながら「それは宿命。その中でも自分の時間をつくって、トレーニングをしなきゃいけない」と、高橋にアドバイスを送った。

もちろん高橋自身も自覚する。「小さい頃から夢見た場所に立てるけど、プロは勝負の世界。1つでも多くの勝負に勝って、新人王をとりたい」。家族と行った毎年恒例の初詣でも「野球をするのは自分なので」とおみくじは引かず、“神頼み”はしなかった。自ら左腕で結果をつかみ、大きくなった姿で恩師の前に帰ってくる。【桑原幹久】