確かな“足跡”を残して、プロの舞台へ! ロッテのドラフト1位藤原恭大外野手(18=大阪桐蔭)が6日、大阪・大東市の大阪桐蔭グラウンドで自主トレを公開。フリー打撃で推定120メートル弾を保護者の車に直撃させるなど、72スイング中14本が柵越え。母校での最後の練習で万全な仕上がりを見せた。いよいよ明日8日入寮を迎え、プロの舞台へ飛び込む。

早くも藤原はエンジン全開だった。フリー打撃の53スイング目。弾丸ライナーで打球がぐんぐん伸びた。90メートルの右翼フェンスを越えるとさらに奥にある高さ10メートルの防護ネットの向こうへ。「ドーン」という音とともに練習が止まり、グラウンドはざわついた。打球は駐車場に止めてあった父母会会長の宮本康治さん(50)のホンダ・ジェイドの白い屋根に直撃した。「申し訳ない気持ちです。金属バットから木バットに替えたときは柵越えを打てない時期もあった。最近ようやく慣れてきて、ああいう打球も徐々に増えてきました」と苦笑いした。

昨年末、ロッテ香月と練習に訪れた西武森(ともに大阪桐蔭出身)からアドバイスを受けた。「下の使い方です。左足の股関節とケツを意識するようになった。一番大切なのはケツで、『バッティングしている時にケツに(負荷が)くるのが一番理想』と教えてもらった」。飛距離は15メートルほど伸びた。「コツがわかってきてリラックスして、あまり力を入れずに飛ぶようになった」と試合で使用するバットより70グラム重い、950グラムの赤いマスコットバットで柵越えを連発した。

「練習がしんどかった。それが一番覚えています。人生でこれよりしんどいことはないんじゃないかな」と言う、思い出のグラウンドでの最後の練習。「さみしいのはある。フリー打撃はあれが最後だったので1球1球かみしめてやりました」。11時公開予定の練習を30分前倒しして、バットを振った。

いよいよ明日、浦和寮に入寮し、10日からは新人合同自主トレーニングが始まる。「大きな目標として新人王というか、まずはそこに向かって全力でやりたい。まだまだ今のレベルじゃできないけど、大きな目標を立ててやっていきたい」。わだちを母校に刻み、プロの舞台へ駆け込んでいく。【久永壮真】