キャンプインを前に、オリックスの親子トレが実現した。ドラフト1位の太田椋内野手(17=天理)が29日、大阪市内の室内練習場で、近鉄元内野手でオリックス打撃投手の父暁氏(48)をノッカーに自主トレに臨んだ。野球を始めたころから、高校在学時を除き、父の手ほどきで成長してきたが、球団施設での合同練習は初めて。キャッチボール、ゴロ捕球を終えた太田は、少し照れながら「お互いしっかり練習できたと思います」と振り返った。

父にしてみれば、プロ初キャンプに臨む息子の側面支援の思いはある。さらに、自身の準備もあった。昨秋キャンプイン直後、暁氏は打球を受けて右肩を骨折。春季キャンプに間に合わせたが「キャンプ前に投げておきたかったんだと思います」と、太田は失投はするまいという父の覚悟を感じ取った。親子トレは、1年生にプロの責任感を伝える練習時間にもなった。

30日の宮崎到着後、父子は1、2軍に離ればなれ。1軍打撃投手の父に対し、太田は2軍発進。1、2軍球場は同じ敷地内に隣接も、宿舎も別になる。「体はしっかりしてきましたね」と着実な成長に目を細めた父は、まずはジュニアがはいあがってくるのを待つ。【堀まどか】