広島ドラフト1位の小園海斗内野手(18=報徳学園)がプロの洗礼? を浴びた。1日のキャンプ初日にナインに自己紹介したが、上本からダメ出し。その上本に「田中選手からショートのポジションを奪えるように頑張ります!」と勝手に大声で言い直された。内野ノックで落球する場面があるかと思えば、フリー打撃では柵越え越え1本。山あり谷ありの1日となった。

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まさかの下克上宣言だった。練習前に右中間で円陣が組まれ、小園はナインの前に立った。控えめに自己紹介してお役御免のはずが、上本からダメ出し。その上本に「新人の小園海斗です! 田中選手からショートのポジションを奪えるように頑張ります!」と大声で言い直された。周囲が爆笑に包まれる中、ひたすら苦笑い。「びっくりしました」と振り返った。

気合十分で球場入りした。天福球場で歓迎式典が始まるのは午前9時20分、アップ開始は午前10時の予定だったが、午前7時30分過ぎにドラフト6位ルーキー正随とともに歩いて宿舎を出発。途中で球団関係者の車に拾われ、午前7時45分に到着した。ここまでは完璧だったが、そこから山あり谷ありだった。

得意の内野ノックでは憧れの田中広、庄司、上本とともにショートの守備位置へ。その後の投内連係でもショートを守った。「テレビで見ているプレーがいくつも見えた」。気を取られたわけではないが、落球する場面もあった。「緊張しっぱなしの1日。最初の守備でポロポロしまくったんで」と悔しがった。

よかったのは打撃だ。フリー打撃で107スイングで右中間スタンドへ柵越え1本。「ミスショットが多かった。でもしっかり修正しながらできたのはよかった」。ネット裏の中日鈴木スコアラーを「いいですね。バットの出方がいい」と警戒させた。ロングティーのメニューでは、松山の打撃を手本に、東出打撃コーチから下半身の使い方を学ぶ場面もあった。

いじられ、失敗してもへこたれず、着実に前に進む。タフな一面を見せつけ、小園がプロの1歩を踏み出した。【村野森】