日本ハムの新戦力、金子弌大(ちひろ)投手が節目を正装で臨んだ。今キャンプ初のブルペン入りで45球。投手陣でただ1人、練習用ではなく、ビジターの試合用ユニホームを着ての熱投だった。球界の“おしゃれ番長”は、移籍後のキャンプ初投げに合わせ、自己判断でドレスコードを上げた。

金子はあえて、ハーベストゴールドと名付けられた色の、ビジター用の金色のユニホームを着た。そしてブルペンへ向かった。春季キャンプでは移籍後初の投球練習。「せっかくなので、着て投げたいなと思いました」。この日にブルペン入りした9投手でただ1人、試合用ユニホームを着用して投げ込んだ。新天地での本格スタートをきっちりとした姿で歩みだしたかった。

金子 まだ、ホームとビジターのユニホームを着ていないのに、黒いのを着るのもなぁ、と思いました。

日本ハムのキャンプでは、日替わりで着用するユニホームが指定されている。今季の場合は初日がホーム用の白いユニホーム。この日はビジター用が指定されていた。帽子もホームとビジターでは違うため、朝のアップ中には間違えた選手らが取り換えにクラブハウスへ戻る姿もあった。

ユニホームの上着については試合以外では黒い練習用も着用OK。各自の判断に任されている中で、キャンプインの1日は斎藤らホーム用のユニホームを着た選手が複数いた。キャンプ2日目となると練習用の黒ユニが主流の中で、金子は自らの節目を正装で臨んだ。球界でも、おしゃれで有名な沢村賞右腕だが、本格的な投げ始めにふさわしい格好にこだわった。

45球を投げた。カーブ、シュート、スライダー、チェンジアップと多彩な変化球も織り交ぜた。受けた黒羽根は「コントロールがいい。終わってから『コントロールが悪くてゴメンね』と言われたけど、金子さんで悪かったら、どうなるんだって感じ。求めているところが違うのかなと思った」と、意識の高さに驚いた。金子は現時点での調整ペースは「遅すぎず、早すぎず」と表現。順調に新天地で船出している。