こん身の岡本斬りだ! 巨人育成3年目の坂本工宜投手(24)が2軍チームで先発し、2回を無安打無失点に抑えた。2回、先頭の4番岡本の内角へ直球を2球続けて、攻めた。4球目には体をのけぞらせた。フルカウントから最後は外角スライダーで見逃し三振。「いいバッターなので、びびらずに攻めた。イメージ通りに投げられました」と納得顔で振り返った。

この1戦にかけていた。「この日に合わせて自主トレからメニューを組んできました」と前日は21時半に就寝し、5時に起床。「育成だというだけで、なめられていると感じることもあった。岡本を抑えればアピールになると思ったのでよかったです」と反骨心で結果を残した。

異色の経歴を持つ。関学大準硬式野球部出身で、大学2年春に外野手から投手に転向。16年育成ドラフト4位で入団。昨秋キャンプでは実戦3試合で6回無失点と好投、支配下登録の最有力候補に挙がる。

躍動する新星に宮本投手総合コーチも「普通の一歩じゃない。大きな一歩を踏み出せた。(好投を)続けていくことで背番号2桁、1軍が見えてくる」と高評価。「今日を自信に、1回1回のチャンスをものにしたい」と貪欲な右腕が、見えてきた支配下への切符を奪い取る。【桑原幹久】

◆坂本工宜◆ さかもと・こうき。1994年(平6)8月19日、滋賀県高島市生まれ。関西学院高では控え外野手。関学大では準硬式野球部に所属。大学2年で投手転向。16年育成ドラフト4位で入団。最速148キロ。持ち球はストレート、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ。176センチ、82キロ。右投げ右打ち