日本ハム中田翔内野手(29)が開幕ピンチだ。

米アリゾナキャンプ最終日の12日(日本時間13日)、に現地の病院で精密検査を受け、左内転筋肉離れ(1度)と診断された。11日(同12日)の韓国NCとの練習試合(スコッツデール)の2回の打席で違和感を覚えていた。試合復帰までは約3週間の見通しだが、キャンプ序盤からトラブル続きで調整不足は必至。開幕戦の3月29日オリックス戦(札幌ドーム)へ向けて暗雲がたれ込めた。

早朝、クラブハウスから出てきた中田はグラウンドへ向かわず、迎えの車に乗り込んだ。トレーナーとともに現地の病院へ向かい、精密検査の結果は左内転筋肉離れだった。程度は「1度」で軽症との診断だが、帰国後に再検査を行う可能性もある。現時点で、試合復帰までは約3週間を要する見込み。順調に回復すれば、3月上旬には実戦出場が可能になるが、予断は許さない状況だ。

アリゾナ滞在中は、コンディション面のアクシデントが相次いだ。キャンプ初日の1日(同2日)は右肩痛を発症。いきなりノースロー調整を強いられた。第2クール2日目の5日(同6日)には、腰痛を訴えてランメニューを回避。翌日からは打撃練習もキャンセルするなど別メニュー調整が続いた。腰の状態は日に日に良化し、第3クール初日の9日(同10日)にはフリー打撃を再開。「大丈夫だと思う」と臨んだ10日の練習試合は「6番DH」でスタメン出場したが、1打席限定の中で不運にも今度は下半身にアクシデントが襲った。

チームにとっても痛い主砲の出遅れだ。打線の要で精神的支柱でもあり、攻守に大きな影響を及ぼす存在。球団内で温められている超攻撃型の「4番三塁中田」プランもペンディング状態だ。栗山監督は「昨日の試合前にも(コンディションが)おかしいとかいろいろあった」と話すなど、中田の状態は不安定なまま米アリゾナキャンプが終了。当面は実戦復帰へ向けたリハビリに入る見込みで、早期回復が待たれる。【スコッツデール(米アリゾナ州)=木下大輔、田中彩友美】