すこぶる仕上がり順調なのだろう。2月下旬にもかかわらず、各チームの主力がシーズンと変わらぬ高い技術を披露している。代名詞の「技」を拾った。

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ロッテの「背番号1」清田育宏外野手も、横っ跳び一番の「ザ・キャッチ」を決めた。西武との練習試合(春野)の2回1死一塁、愛斗が放った左翼ポール際の大飛球に全力で追いついた。トップスピードに入ると、打球めがけて一直線。最後はダイビングキャッチでグラブにボールを収めた。滑り込みながらの超美技に高知のファンは大喝采。15年ゴールデングラブ賞獲得の守備範囲が衰えていないことを示した。

激しい外野手争いで、守備力は大きな武器になる。プロ10年目の今季は例年以上に白熱。角中、荻野と実績を備えた選手に加え、ドラフト1位ルーキーの藤原、加藤、岡らとライバルは多い。井口監督はかねがね「どんどん競争があって、入れ替えも激しくなると思う」と競争意識で戦力の底上げを期待している。清田には、守備から出場機会を増やし、足場を固めていったルーツがある。練習試合でみせたベテランのガッツあふれるプレーは価値が高い。