巨人原辰徳監督(60)が、シーズン中の有事に備えて「ブルペンデー」にトライする。6日、広島とのオープン戦が中止になったマツダスタジアムで、独自の投手起用プランを披露。18日の大リーグ・マリナーズとのオープン戦は、リリーフ投手を先発させ、1試合救援陣だけで投げ切るテストを行う。今季はゴールデンウイークに10連戦が予定されるなど、先発投手の駒不足やアクシデントに備え準備を進めていく。

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イチローもびっくりのリレーになるかもしれない。救援投手だけで1試合継投するプランを温めてきた原監督は、先発投手陣の調整を考慮した上で、マリナーズとのオープン戦2戦目でテストに踏み切ることを決めた。

「(シーズン中も)あり得るということですね。先発が5人、あるいは6人でしっかり回ってくれればいいけど。1つ生きた教本にできればいい」

大リーグで近年浸透する「オープナー」はクローザーが先発し、2回から先発投手がマウンドに上がる。原監督の「ブルペンデー」は、救援陣だけで1試合投げ切るプラン。「メジャーは限られたメンバー、タイトな日程の中。日本はそこは違うけど、意識付けとして1度やってみないかと。ないとは言い切れない。今日は先発がいない、よし『ブルペンデー』でいこうと。有事であり得る」。実戦でトライすることで、あらゆる可能性に備えていく。

柔軟な発想の根底には、長いシーズンを見据えた背景がある。今季からベンチ入りメンバーが昨年から1枠増の29人になり、中継ぎ投手の増員が可能になった。4月27日からのゴールデンウイークには10連戦が予定される。「昔は思い切った奇想天外な投手起用があった。しかしブルペンデーは当時もなかった。1つ新しい」と言う。平成から新元号に時代が変わるタイミングで、日本球界にとっても新たなチャレンジに打って出るかもしれない。

巨人の救援陣は、クローザー候補の新外国人クックに上原、吉川光、新戦力では大江、桜井、坂本工らがアピールを続けている。雨天中止が重なった昨季は、シーズン終盤に阪神が14連戦を戦った。「経験しておくのと、絵に描いた餅じゃ違うもの」。準備を万全にして勝負のシーズンに備える。【前田祐輔】

◆ブルペンデー 先発投手陣を休ませるため、中継ぎ投手だけで継投し1試合を乗り切る起用法。通常はローテの谷間で行うが、同じ投手が上位打線と対戦する回数が減ることから戦術面でも注目され、レイズは昨季当初から先発4人+ブルペンデー1日でローテを回した。