侍ジャパンにも選ばれたオリックスの高卒3年目右腕、山本由伸投手(20)が先発再デビュー戦でノーヒットノーラン目前の快投を演じた。

8回1死までソフトバンクを無安打に抑えたが、松田宣に左前に初安打を運ばれた。それでも9回1安打無失点、8奪三振。大記録どころか延長12回で0-0の引き分けに終わり、白星こそつかなかったが、昨季の日本一球団をねじ伏せた。

「(無安打無得点試合は)意識しなかった。しっかりと準備してきたことが試合に出せた。相手もいい投球をしていたので、粘り負けないようにと思って投げた」。150キロを超える直球やフォークボール、さらにシュートや昨季はあまり使わなかったカーブもさえた。打者のタイミングを外すため、ワインドアップから投球モーションのスピードに変化を加えた。

味方打線は8回無死二、三塁で沈黙するなど拙攻が目立った。西村監督は「絶対勝たせてあげないとダメでしょ。『何やってるんだ!』と言われてもしょうがない。恥ずかしい」と語気を強めた。

宮崎・都城高からドラフト4位で入団。2年目の昨季はセットアッパーとして8回を任され、リーグ2位の32ホールドを記録した。この日は17年10月9日ロッテ戦以来、約1年半ぶりの先発で今季初登板だった。「(捕手の)若月さんと『真っすぐで押せるから、そこは絶対に押し切ろう』と話をしていた」。西(現阪神)らが抜けた新生オリックスの希望の光として、山本が強烈な存在感を示した。【古財稜明】