ソフトバンク打線が7発のアーチをかけ大勝した。2試合で7発食らい連敗していたロッテに1試合でお返しした。不振だったアルフレド・デスパイネ外野手(32)、内川聖一内野手(36)にも今季初アーチが飛び出し、柳田悠岐外野手(30)とクリーンアップそろい踏み。8回には03年以来16年ぶりの1イニング4発も飛び出した。九州移転30周年記念として開催された「WE=KYUSHUデー」初日を白星で飾った。

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ヤフオクドームに豪快に7発のアーチをかけた。初回、柳田が超人的パワーを見せた。「打った瞬間打ち損じた、左飛だと思っていた」という打球は左翼テラス席へ吸い込まれる先制4号2ランとなった。

3回には2死一、二塁で、6日まで打率1割1分8厘だった4番デスパイネがシンカーをガツン。左中間のロッテ応援団ゾーンの中段まで運ぶ推定140メートルの大アーチに「完璧にとらえられた。やっと1本出てくれてよかった」と足を上げ、左手に持ったヘルメットにぶつけるパフォーマンスで喜んだ。

続く内川もここまで打率2割1分9厘と不振だったが、バックスクリーン左へたたき込んだ。「初めて芯に当たったので。開幕してモヤモヤしかなかった。デスパ(イネ)が打ったあと、そのまま続けてよかった」と36打席目での今季1号を喜んだ。オープン戦は打率3割8分5厘と好調だったが、開幕後は苦しんでいた。この日は父一寛さん(62)も「心配になって見にきました」と大分から急きょ駆けつけていたが、安心させた。

工藤監督も「デスパイネ、内川に1本出たのはよかった。とても安心できる。チームが乗っていける」とクリーンアップそろい踏みを喜んだ。だが、ソフトバンク打線はここで終わらない。8回には03年9月14日オリックス戦以来の1イニング4発。6番松田宣、7番上林がそれぞれ3号ソロを放つと、1死後スタメン2試合目の釜元がプロ初本塁打となる1号ソロ、さらには途中出場の福田も1号2ランをぶちかました。終わってみれば昨年7月西武戦(8発)以来の1試合7発が乱れ飛んだ。

ロッテに2試合で7発を食らって連敗していたが、1試合で7発お返しし連敗ストップ。内川は「ここで3つ負けるのは嫌だった。止まってよかった」と話した。この日は九州移転30周年記念として5試合予定されている「WE=KYUSHUデー」の1試合目。入場者にもレプリカユニホームが配られ、福岡出身の著名人が歌う30周年バージョンの「いざゆけ若鷹軍団」も流れた中での大勝。内川は「球場が同じ色に染まっていた。勝つと気分がいい」と喜んだ。7回の走塁で左膝に違和感を訴え途中交代した柳田の状態は気がかりだが、ド派手なホームラン祭りの流れそのままに9日の長崎(日本ハム戦)に乗り込む。【石橋隆雄】