三塁側ベンチの誰もが、思わず「アッ」となった。DeNA2点リードで始まった阪神8回裏の攻撃。気づけば、1点差まで詰め寄られ、2死満塁の場面で福留を迎えていた。

打球は右中間への飛球。平凡なフライだと誰もが思ったが、まさかだった。右翼手のネフタリ・ソトが落球し、走者一掃となった。この回一挙に6点を許し、甲子園の虎党を盛り上げる結果に…。つかみかけたルーキー上茶谷大河投手の初勝利も消えた。試合後、アレックス・ラミレス監督は「私も現役時代に守ったことはあるが、甲子園は一番守備が難しい」。ソトをかばったが、手痛い1敗となった。

ソトは2回2死一、二塁の守備でも右翼線へ上がった梅野の飛球を落球した。一時はグラブに当てていたこともあり、プレー直後には「失策」と判断されていた。結果的に「2点適時三塁打」と訂正されたが、大事な場面での守備でルーキーを援護できなかった。

昨季は1度も回またぎを経験していない山崎を8回途中に投入するなど、ベンチは必死に勝利を目指したが、逆転負けを喫した。選手の多くが肩を落とし、移動用のバスに乗り込んだ。即座にリベンジするしかない。【栗田尚樹】