勝率5割復帰へ、中日の執念は実らなかった。初回に大島が犠飛で1点を先制。先発大野雄も粘った。左腕は初回の無死一、二塁、そして3回に1点を奪われた直後の無死満塁でも後続を断ち切った。だが打線は4回以降、4度得点圏に走者を進めながら、得点につなげることは出来なかった。

あと1本が出なかったことを聞かれた与田監督は、間を置かず「その通りだね」と振り返った。昨年はノーヒットノーランを喫した苦手山口を打ち崩せなかった。山口が先発に転向した14年以降3勝9敗で、ここ4年間では0勝6敗と特に分が悪い。DeNA時代の15年8月に奪って以来の白星は次戦以降に持ち越された。

与田監督は大野雄について「6回2失点で試合を作る部分は良かったが、打者のリズムを作って欲しかった」と辛口のコメントも付け加えた。左腕には年間170イニング以上の登板を要望している。シーズンを通して先発陣をけん引して欲しい期待の裏返しだった。

「敗戦の中にも良かったものはある。勝たないといけないが、いろいろ収穫と課題もあった」。開幕10戦目での5割への復帰はかなわなかった。だが次戦での巻き返しを指揮官はにらんだ。【伊東大介】