三塁ですら、遠かった。得点の気配は最後までなかった。日本ハムは開幕から16試合目で、今季初の0封負け。

8回2死、三ゴロに倒れた近藤の一塁到達をめぐってリプレー検証を要求したが、アウト判定は覆らず。試合終了から約30分後、ようやく報道陣の前に姿を現した栗山監督は「やられる時は、こうやって点差が開くもの」。オリックス投手陣に散発の5安打と封じられ、投手陣も3被弾を含む大量9点を失う大敗だった。

相手先発アルバースの多彩な変化球に幻惑された。5回までに8点差となり、6回以降は救援陣を攻略する糸口もなかなか作れなかった。打線は敵地で打率1割9分7厘と“内弁慶”ぶりは変わらず、上昇の兆しが、なかなか見えない。栗山監督は「去年、やっているから分かっているけど、ああいう投手は点差があったら楽になる」と助っ人左腕の好投を振り返り「こちらが少数点差でやっていくしかないんだけど…」と、序盤から一方的な展開になったことを悔しがった。

力が拮抗(きっこう)しているパ・リーグを見渡し「1つ勝つことが難しいのは実感している」としていた指揮官は「トータル的にやられた。これを明日以降に生かしていくしかない」。貯金は再び0となり、また一からのスタートだが、表情に悲愴(ひそう)感はない。「すべてを飲み込んで前へ進むしかない」と話す口調は、しっかりとしていた。【中島宙恵】