初戦を落とした明大が、連勝で勝ち点1を挙げた。主将でエースの森下暢仁投手(4年=大分商)が、4安打1失点完投でリーグ戦通算10勝目となる今季初勝利をマークした。立大は、2カード続けて勝ち点を落とした。

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森下の考えと、西野真也捕手(4年=浦和学院)の思惑は一致していた。初回、カーブが決まらない。しかし、それでも西野はカーブのサインを出し続け、森下も試合の中でカーブを磨いた。

森下は美しい球筋の最速154キロを誇る本格派。ただ、それだけでは6大学では勝てない。6回4失点で敗れた20日の初戦は初球のカーブがすっぽ抜け、初回に3球試しただけで見切りをつけていた。勝ち点がかかる大事なこの日は、初回に7球。なかなか制球が定まらなかったが、あきらめなかった。2回、この試合9球目のカーブが思い描いた軌道で描き、エースは息を吹き返した。

終わってみれば、10個の三振を奪い、1点の完投勝利だ。カーブでカウントを整え、打者に緩さを植えつけ、149キロの直球やカットボールで仕留めた。森下は「今日のストレート、変化球の割合は調子のいい時と同じだと思います。カーブも空振りをとれる球もありました」と振り返った。

これで、リーグ戦通算10勝目。「皆さんはまだ10勝目と思われていると思います。これだけ投げさせていただいてます。これからしっかりしたピッチングをお見せしたいです」。大切なのはチームが勝つこと。苦しんだ開幕だったが、森下の集大成のシーズンは順調に幕を開けた。【井上真】