平成の最後に輸入された「フライボール革命」というキーワードが、日本球界にも浸透している。ホームラン増はその証左か。時代をまたいで席巻するのか。データの側面からひもといてみる。

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各チームの本塁打数を昨季の同試合消化時と比べると、減少したのは日本ハム(25本→12本)だけ。広島が同数(20本→20本)で、残る10球団は増えている。12球団合計では昨季の220本に対し、今季は285本に増加した。

顕著なのはロッテの16本増(11本→27本)。ロッテは昨季78本と12球団最少だったが、今のペースだとシーズン175本になる。ZOZOマリン外野席の手前に新たに設置したゾーン「ホームランラグーン」の影響もあり、同球場では13試合で31本塁打。内訳はロッテ14本、相手17本。今のところ収支はマイナスだが、本塁打が出やすい球場になったのは間違いない。ここまで同球場の1試合平均本塁打は2・38本。本拠地球場になった92年以降、昨年まで27年で1試合平均が2本に届いたのは04年の2本(63試合126本)だけだが、今季は球場史上最高になりそうだ。

球場の広さが本塁打数に変化をもたらした例では、ヤフオクドームの「ホームランテラス」がある。テラスが設置された15年、本塁打数は前年14年に比べ同じ67試合で66本→130本と倍増している。