「代役」ゲームに連敗…。阪神はプロ初先発の中日清水をとらえきれず、プロ初勝利を献上してしまった。

5イニングで奪った得点は1回の2点だけ。拙攻が響いた。当初は福谷が先発予定だったが故障で清水が代わりにマウンドへ。4月27日も、予告先発の笠原が体調不良で登板回避した試合を落としていた。5月初の連敗で、6カードぶりの負け越し。3位タイに後退した。う~ん、乗り切れませんな…。

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阪神が自ら勝機を手放してしまった。マウンドに立つのは高卒2年目、19歳の清水だ。2年前に夏の甲子園で優勝投手に輝いたとはいえ、序盤から浮足立っていた。1回は2四球と2安打で同点に追いつき、なおも一、二塁。だが、後続が倒れて勝ち越せなかった。

2回は先頭木浪の四球出塁で才木が送りバント失敗。1点を追う4回も1死一、二塁で再び送りバントできず得点できない。自らの投球に生かせず、才木も「流れを止めたかなと思います。守備でも攻撃でも迷惑を掛けてしまった」と猛省した。中盤は清水の球威に押されて5回まで投げさせてしまった。矢野監督も渋い表情で振り返るしかなかった。

「う~ん…。こっちが持たせてしまったという感じにしか見えないけどね…。(点を)取れそうなところで取れてない。流れのなかで、こっちに流れを持ってくることができなかった」

終盤まで再三、得点圏に走者を進めながら、劣勢をはね返せなかった。浜中打撃コーチも「やられたという感じではない」と話すなど、不安定な清水相手に消化不良の拙攻が重くのしかかった。当初は福谷が先発予定だったが、腰部故障で急きょ清水が代役のマウンドに立った。4月27日も敵地ナゴヤドームで予告先発の笠原が不整脈の疑いで回避し、代わりに投げた佐藤から1回に3点先制したが痛恨の逆転負けを喫した。

優位に立てるはずの「代役先発」ゲームで中日に連敗。5月初めて黒星が続いて巨人3連戦3連敗を喫した4月19~21日以来、6カードぶりに負け越した。順位は3位で変わりないが、広島に並ばれた。指揮官は「悔しいです」と厳しい表情を浮かべつつ、先を見据えた。14日からは敵地で令和初の巨人戦を2試合戦う。「今シーズン、やられてるのはもちろん分かっています。巨人に勝って2勝できるわけじゃないけど巨人に特別な思いを持って戦ってきたい」。今季6戦全敗の首位チームに、全力で挑む。【酒井俊作】