17日のウエスタン・リーグ広島-阪神(由宇)で、胃がんからの完全復活を目指す広島赤松と、大腸がんから実戦復帰したばかりの阪神原口がそろって出場した。

8日に復帰した原口は5番DHでスタメン出場。4打数無安打に終わった。昨年3月に復帰した赤松は8回1死一塁の場面で代走出場。サンタナの左翼線の当たりで三塁に進み、船越の本塁打で生還した。ともに前例のない戦いに挑む両者の姿に、スタンドから大きな拍手が送られた。

実戦復帰した原口と初めてグラウンドで顔を合わせた赤松は「彼も頑張ったと思うし、つらかったと思う。でも、もうあとはやるだけですよね。結果を出さないと僕みたいに2軍にいるだけになる」と明るくエールを送った。

2人のプレーする姿に注目するのはプロ野球ファンだけではない。赤松は使命を感じながらも、プロとしてのプライドものぞかせる。「そうなってくれていたらありがたい。ただ、病気と野球をつなげると大きなことになるけど、僕らもほかの選手と同じ。野球では結果を出すしかないですから」と表情を引き締めた。