阪神糸井嘉男外野手(37)が延長10回の激闘にケリをつけた。「日本生命セ・パ交流戦」の9回、守護神ドリスで追いつかれたが、直後の好機で守護神益田から右前に決勝タイムリー。出場最年長のベテランが3位後退の危機を救い、交流戦勝ち越し発進を導いた。7日からは甲子園に帰り、清宮も出場予定の日本ハム3連戦。3ゲーム差で追う首位広島を猛追する。

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糸井が決めた。延長10回1死一、二塁で益田から決勝打の右前タイムリー。直前の9回に守護神ドリスが今季初めてセーブのつく状況で救援に失敗し、同点とされたがベテランがチームを救った。6度目の勝利打点はリーグトップタイだ。

5番マルテのバットも火を吹いた。初回、糸原と大山の安打で2死二、三塁。福留の離脱後中軸に座る助っ人は先発種市の3球目、真ん中に入った149キロの直球を捉えた。打球はきれいに中前へ抜け2者が生還。先制パンチで自身最長の9試合連続安打だ。

「塁が埋まっている状況だったので、前に飛ばせば何か起こるとポジティブな気持ちで打席に入った。追加点が取れて良かった」

1点リードの3回にも、1死満塁から左翼へ邪犠飛を放ち、来日最多となる3打点の活躍だ。

福留の離脱で2日の広島戦から5番に入った。初のクリーンアップを任され、4試合で18打数6安打5打点1本塁打。代役を果たしている。気温の上昇もマルテの温度を上げる。1軍デビューした4月は打率1割2分5厘も5月は2割5分7厘、さらに暑くなった6月はここまで3割8分1厘と、バットも熱を帯びている。熱帯ドミニカ出身のラテン男には好都合の気温上昇。この日も日中は31度の真夏日を記録し、後押ししたようだ。

デビュー当初は6番での出場も、数試合で7番に固定された。それでも「打順は関係ない。自分の前にいるランナーを返すだけ」と、どの打順に入ってもやることは変わらない。

この日も守備では一、二塁間に抜けそうな当たりに飛びつき先発の高橋遥を援護。ホットな男が攻守で勝利に貢献した。3番糸井と5番マルテ。4番大山も初回に先制を呼ぶ二塁打を放つなど中軸が機能した。チームは7日から清宮も出場予定の日本ハムと甲子園で3連戦。3差で追う首位広島を猛追する。【奥田隼人】