今秋ドラフト1位候補の明大(東京6大学)・森下暢仁投手(4年=大分商)が東洋大(東都)を7安打完封し、6年ぶりの4強を導いた。最速は152キロ。逆球を恐れぬ荒々しさで、強力打線を抑えた。東農大北海道オホーツク、佛教大、東海大も15日の準決勝に駒を進めた。

日刊スポーツ「編成部長」のサブロー氏(43)は、東北福祉大の津森宥紀投手(4年=和歌山東)を視察。素材の良さに太鼓判を押した。

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津森は打たれたが、サイドスローで140キロ中盤以上出せる素材に魅力はある。プロの打者もアンダースローを含めて、変則投法でこのスピードが出るのは嫌なイメージを抱くことが多い。ただ現時点では修正すべきポイントがある。

本来、打ちづらいと感じるのは下から浮き上がる軌道。これが出せてない。右腕の振りがトップに入り、球をリリースするまで遠回りする。スピードを出したいのか力み、腕が体から離れる。遠回りして引っかけ気味に投げる分、左打者の内角にはいい球がいく。だが、打者にホップする感覚は与えられない。インサイドアウトのように体の近くを通せば解消できる。

高速シンカーも習得した方がいい。140キロ台の直球と120キロ中盤のスライダーが主体で、シンカーも時折、投げていたが速球と10キロ以上の差がある。変化の大きさより、直球に近い球速差で投げる高速シンカーの方が打者の手元で芯を外し、高低で勝負できる。

投法は違うが、元ロッテの渡辺俊介をお手本にしてほしい。モーションに入り、トップに入るまでは脱力し、リリースの時に力が入り、ヘッドスピード(腕の振り)が速い。このメリハリが大事だ。津森は左足を上げてから投げるまで終始、力む。1度、力を抜かなければ力は入れられない。

浮き上がるような球と、スピードがあり少し沈む球を覚えれば、プロで10勝できる。今年のドラフトで、1位の12人に入ってくるだろう。