巨人丸佳浩外野手がマルっと白星をかっさらった。

同点の8回2死一、二塁。2ストライクからオリックス近藤の149キロ直球を仕留め、右翼フェンスにぶつけた。決勝の2点適時三塁打。三塁上で右拳を4度振った。「チャンスだったので、食らい付くじゃないですけど、振れる球はしっかり振っていこうと」。殊勲打は坂本勇、岡本と並びチームトップタイの今季5度目。勝負強さが光った。

チーム全得点の4打点を挙げたが“反省”を忘れなかった。6回に左翼ポール際のスタンド最前列ぎりぎりへ、12号同点2ランを放り込んだ。ベンチでは、原監督から両手を上げて円を作る「丸ポーズ」も初めて飛び出した。指揮官は「4点のうちの4打点ですから100点ですね」と絶賛。丸は「(切れなかったのは)日頃の行いということで…」と笑ったが、不意の祝福には「びっくりして返せなかったので次は準備しておきます」と頭をかいた。

交流戦5カード連続勝ち越しを決め、ゲーム差なしで追う首位ソフトバンクに食らいついた。21日からは本拠地東京ドームで天王山3連戦を迎える。5年ぶりの交流戦優勝へ「今日のように劣勢でも最後まであきらめずに、しっかりと粘り強く戦えれば」とチーム一丸となることの重要性を強調。昨季まで所属した広島ではリーグ3連覇を成し遂げた。培った経験をいかんなく発揮する。【桑原幹久】