7月は燕の季節だ! ヤクルトのエース小川泰弘投手(29)が、16カードぶりとなる初戦の白星をチームにもたらした。7回を4安打1失点。「チームは目の前の試合を取ろうと一丸でやっている。厳しい状況だけど、前向きにやる」と決意を口にした。

勝利のため、とにかく粘った。1点リードで迎えた4回、先頭の鈴木に四球を与え、連打で同点に追いつかれた。さらに無死一、二塁のピンチで、下位打線を抑えた。力のある直球に、チェンジアップとカットボールがさえた。「よく覚えていないけど、粘ることだけを意識していた。自分を信じて、自信を持って投げられた」。尻上がりに調子を上げ、5回からの3イニングを3者凡退とした。

大事なカード初戦を、やっと手にした。5月6日阪神戦(神宮)以来、約2カ月ぶりの勝利。開幕投手の小川もカード頭を任されていた5月下旬まで、なかなか調子が上がらなかった。自分が勝てなければ、チームも勝てない。「初戦は、3連戦のチームとしての戦い方を示すところ。初戦を落とせば絶対に3連勝はないし、責任がある」。先陣を切り、前半戦ラストとなる9連戦の初戦を飾った。

マツダスタジアムは、5月14日に悪夢の16連敗が始まった場所。連敗を乗り越えた経験を糧として生かす。「個人個人が成長していかないと(連敗を)繰り返してしまう。そこは意識していく」。低空飛行の燕を引きあげる。【保坂恭子】