9・5ゲーム差で首位を独走する巨人原辰徳監督(60)が、センバツ優勝校の敗戦で再認識した勝負の厳しさを持って、後半戦に向かう。
後半戦開幕前日の14日、長野市内でヤクルト戦に向けて全体練習を行った。13日には甲子園春夏連覇を目指した東邦が愛知大会2回戦でコールド負け。セ・リーグの貯金を独り占めする状況にも慢心せず、一戦必勝を貫いていく。
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東京とはひと味違う、木々の香り漂う長野・オリンピックスタジアムで、原監督は三塁側ベンチにどっしり腰を下ろした。貯金17で2位に9・5ゲーム差。5年ぶりVへ独走態勢に入ったかに見える。「しかし勝負の世界というのはね、センバツ優勝校がコールド負けするわけだからね。ああいうことがあるんだよ」。
オールスターが行われた甲子園から長野へ新幹線を乗り継ぎ、新聞記事で東邦の8回コールド負けを知った。「非常に厳しさであり、怖さであり。もうひとつ言うならば、相手チームにとっては喜びでありというね。そこが勝負の面白いところだね」。08年には原監督自身が13ゲーム差を逆転してリーグ制覇。96年には長嶋茂雄氏が11・5ゲーム差を逆転する「メークドラマ」を起こした。9・5ゲーム差を安全圏とみない。指揮官は「我々だって勝った時もある。勝負の世界は何が起こるか分からない」と引き締めた。
慢心せず、チームを着実に前に進める。リーグワーストの防御率3・92と課題に挙がる救援陣は、新外国人デラロサを15日から1軍に昇格させる。田口、マシソン、中川らに加われば厚みが増す。「春先はおっかなびっくりだったブルペン陣が、1人1人自立したお店を持った形で、個人商店ののれんを上げた状態で戦える」と成長を感じ取る。打線は交流戦後から打点のない岡本に引き続き4番を託す方針。「今まで通り、攻める時には攻め、守る時には守って、動く時には動く」。ぶれずに貫き、勝機を見いだす。【前田祐輔】



