オリックス田嶋大樹投手が約1カ月ぶりの勝ち星となる今季3勝目を手にした。

初回から際どいコースを攻めながらも、連続四球からのスタートだった。しかし3回以降は「僕の取りえ」という最速147キロの球威抜群の直球を軸に強気の投球で日本ハム打線を手玉にとり、6回4安打無失点と力投した。7月4日ロッテ戦以来の勝利に「今日はしっかりゲームをつくることができた。勝ち星はつきましたけど、負けるよりは絶対にいいので」と喜んだ。

「感謝」を常々口にする田嶋には今季から取り入れたルーティンがある。先発マウンドに上がる際に帽子のつばを手でつまみ、小さく一礼する。左肘の故障から約1年ぶりに1軍復帰登板で復活星を挙げた6月5日DeNA戦から始めた。「感謝の気持ちですね。1軍のマウンドに上がるのは当たり前ではないというのをケガした1年間で痛感したし、しっかりできるようにという思いも込めてですね」。チームの勝利のため、支えてもらった人たちのためにも腕を振り続ける。

「まだシーズンの途中。自分の数字に満足せず、チームの勝利に貢献していきたい」。左腕の覚悟がチームを上昇させていく。【古財稜明】