巨人のエース菅野智之投手(29)が、マウンドを譲らなかった。

4点リードの7回2死一、三塁。初回の先制ソロを含む2安打を許していた菊池涼を迎え、自らを中心に輪ができた。球数は117球。宮本投手総合コーチの問いかけに「いけます」と当然のように返答。ツーシーム、カットボールを散らし、最後は低めのスライダーで三ゴロに仕留めた。7回6安打2失点で今季2度目の自身3連勝。11勝目を挙げた。

3回までにソロ2発を浴びたが、ただでは転ばない。「(調子は)あまりよくなかった」とボール先行が続いても安易な球を選択しなかった。5回2死二塁、前打席で内角スライダーを右翼席へ運ばれた西川に、外角いっぱいをツーシームで厳しく突いた。追い込んでから、最後はフォークで泳がせ一ゴロ。「リードしている場面で粘れないことが今季は多かった。1試合でも乗り越えられたことは大きい」とうなずいた。

ピンチをしのいだ直後に坂本勇の逆転弾が飛び出した。「打ってくれると信じていました。勇人さんからビールをもらって、栄養つけて頑張ります!」。歓喜の乾杯まで、1ミリも気を緩めず突き進む。【桑原幹久】