春リーグ戦で東都優勝の東洋大と、東京6大学優勝の明大による、関東大学球界屈指の好カードが実現した。

両大学は、今年6月の全日本大学野球選手権の準々決勝で対戦。その試合は、明大がエース森下の7安打完封で勝利したが、この日は東洋大がやり返した。

互いに譲らない投手戦。リーグ開幕を見据え、お互いベストメンバーの打線を組んだが、点が入らない。明大先発の竹田祐投手(2年=履正社)が6回3安打1失点に抑えれば、東洋大は野木海翔投手(4年=九州国際大付)が3回2安打無失点の後は、1イニングずつの継投。ともに無得点のまま進んだ。均衡が破れたのは9回表。1死二塁で東洋大・山崎基輝捕手(3年=愛工大名電)が左中間二塁打を放ち、決勝点を挙げた。

両監督とも納得の表情だった。東都は9日開幕。東洋大にとって、この日が開幕前最後の実戦だった。杉本泰彦監督(60)は「十分です。今日は、ただ打つだけの形。(リーグ戦では)これにサインプレーが加わる。正面を突く当たりも多かったし、(明大)竹田君も驚いたのでは」と、6安打1得点の打線にも、個々の仕上がりにOKを出した。

明大・善波達也監督(57)は「竹田は、ボールがもう2つほど下がればいいが、粘ることができた。ランナーを出してから、ずうずうしく抑えるのが良さ。健在ですね」と、序盤3回は毎回走者を抱えながらも得点を与えなかった投球を評価した。