広島は4日、昨季まで在籍したブラッド・エルドレッド内野手(39)の現役引退と、駐米スカウトとして契約することを発表した。

エルドレッドは日本球界でのプレーを希望していたが、所属先が見つからなかったという。在籍7年は日系人を除けば球団の外国人選手最長。チームにもファンにも愛された愛称「カントリー」の大砲が、助っ人を発掘する立場でチームを支える。15日ヤクルト戦(マツダスタジアム)で引退セレモニーが行われる。

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エルドレッドは昨季限りで自由契約となり、日本でのプレーを望んでいた。7月31日の期限になっても所属先が見つからず、現役引退の決意を固めた。広島は昨オフの時点で、駐米スカウト就任を打診しており、1年遅れの契約となった。鈴木清明球団本部長は「チームに必要な選手を取ってほしい。性格が重要。エルドレッドみたいな選手が理想」と期待を込めた。球団の駐米スカウトはシュールストロム氏、マクレーン氏と合わせ3人体制になる。

エルドレッドは昨年まで日系人を除けば球団の外国人選手最長となる7年在籍。14年に37本塁打でタイトルを獲得するなど、球団外国人歴代2位の通算133本塁打を放った。「カントリー」の愛称で知られ、ムードメーカーとしても大きな役割を担った。球場に自転車通勤する庶民的な姿は、ファンにも愛された。

球団は、9月15日ヤクルト戦で引退セレモニーを行う予定。雨天中止の場合は、同16日に行う。引退記念グッズの販売も行う。

エルドレッドは球団を通し、以下のコメントを発表した。

「広島東洋カープの一員として引退できることは大変名誉なことです。私と家族にとって、思い出深い7年間にしてくださったチームメート、監督、コーチ、スタッフ、球団職員、特にファンの皆様と一緒に日本で引退を祝えることをとても幸せに思っています。広島東洋カープの選手でいられたことを私はとても恵まれていたと感じており、これからもずっとカープの家族の一員でいられることを誇りに思っています。近日、皆様とお祝いできることを楽しみにしています」

◆ブラッド・エルドレッド 1980年7月12日生まれ、米国フロリダ州出身。フロリダインターナショナル大から02年ドラフト6巡目でパイレーツと契約し、05年メジャー初出場。ロッキーズ、タイガースと移り、メジャー通算90試合で、15本塁打。12年6月に広島入り。14年に長打力を身につけ、37本塁打で初のタイトル獲得。18年まで広島でプレー。在籍7年は、従来のライトル6年を超え球団外国人最長。現役時代は196センチ、126キロ。右投げ右打ち。