今季限りでの退団を表明している阪神鳥谷敬内野手は、自身最後となる可能性が高い「伝統の一戦」を静かに終えた。6回、梅野の2ランで4点リードとした直後に代打登場。一ゴロに倒れたが、球場全体から惜しみなく拍手が送られた。

試合前には巨人阿部の現役引退を受け、「一緒にやったメンバーがどんどん辞めていくのは寂しい」と神妙な表情になった。虎で16年間しのぎを削り続けた相手。「やっぱりジャイアンツとやると特別な試合になる。捕手が阿部さんの時は阿部さんと勝負しているような感じだった。いろいろ(配球などを)考えさせられた」と振り返った。

13年WBCでは阿部主将のもと、侍ジャパンを準決勝進出に導いた。「背中だけでなく言葉でも引っ張っていく印象があった。絵に描いたような中心選手でありキャプテンでした」。自身は今後、他球団での現役続行を目指す。希代の好敵手との戦いに区切りをつけ、逆転CSに向けて残り3試合に全力を注ぐ。