<ロッテ4-12西武>◇24日◇ZOZOマリン

西武V2の最大の原動力には、12球団NO・1の破壊力を持つ強力打線が挙げられる。確かに1番から6番までを打った打者の顔ぶれには、そうそうたるメンバーが並ぶ。1~6番の平均打率は2割8分1厘の好数字。一方で、7番以下を打った打者の平均打率は2割3分4厘に沈む。その中でチームを救ったのが、8月11日から7番に座った山川の存在だった。

「7番山川」の成績は、26試合で打率2割7分4厘、7本塁打。山川の力を考えれば、抜き出た数字ではない。しかし、西武打線の特徴として8、9番には守備と走塁を重視した木村、金子侑が並ぶことが多い。2選手の打率は木村が2割2分2厘で、金子侑が2割5分1厘。木村は長打率こそ3割4分6厘だが、101三振で出塁率は2割7分3厘。金子侑はリーグトップの41盗塁も、長打率はパ規定打席到達者で、1人だけの2割台(2割9分2厘)。「打つ」だけにこだわるなら、とてもレギュラーと呼べる数字に及ばない。特に外野手は打撃優先とされるポジションだけに、物足りなさは残る。

当然、相手バッテリーは8番、9番が打てないのだから、7番打者にはのびのびと、際どいコースを狙いながら攻められる。選球眼の悪いタイプは特に苦しみ、7番時の中村は打率1割7分4厘(23打数4安打)で、メヒアは1割6分7厘(12打数2安打)。持ち味を発揮できなかった。

その中で山川は結果を示した。今季は40発100打点超えの一方で、4番時の打率は2割4分5厘。全試合4番だった昨季(2割8分1厘)を下回った。しかし、7番で力を発揮。打線のウイークポイントをカバーし、勝利につなげた。「7番山川」試合は20勝6敗。シーズン終盤のソフトバンク猛追、そして逆転Vに大貢献した。【小島信行】