破竹の勢いでCSを勝ち上がったソフトバンク有利-。一般的な下馬評は、こうなるかもしれない。しかし、巨人には投打で極めて強いデータを誇る選手が存在する。山口俊投手(32)とアレックス・ゲレーロ外野手(32)が、日本一奪取のキーマンに浮上する。【構成=多田周平】

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打線のキーマンに推したいのはゲレーロ。今季は打率2割3分7厘ながら21本塁打と、持ち前のパワーを発揮した。打者の純粋な長打力を表すISO(長打率-打率)というセイバーメトリクスの指標で見ると、300打席以上の選手では両リーグ1位の2割8分9厘。40発打った同僚の坂本勇やDeNAソト、西武山川の本塁打王2人を抑えて堂々トップだ。

特に今年の日本シリーズはヤフオクドーム、東京ドームと本塁打の出やすい球場が舞台だけに、試合を左右する1発が多く生まれる可能性が高い。球界屈指の長打力を誇るゲレーロは、厄介な存在になるだろう。

ゲレーロは中日時代の17年、ソフトバンク戦の3試合で4本塁打するなど、同カードでは通算打率3割7分5厘と相性はいい。今年のCSでは出場3試合で2本塁打と「状態イイネ」の助っ人は、坂本勇、丸、岡本ら主軸と同様にソフトバンクには不気味な存在になる。巨人が最後に日本一となった12年の日本シリーズでは7、8番を打ったボウカーが2本塁打を放って日本一に貢献。今年も下位打線から飛び出す1発が、巨人の日本一を後押しすることになるかもしれない。