ガッツがいきなり動いた。日本ハム小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)が30日、沖縄・国頭での秋季キャンプで指導を開始した。野手を中心に選手の動きをじっくりと観察しながらも、身ぶり手ぶりを交えて打撃指導する熱血ぶりも披露。来春キャンプに調整不足で現れた選手には、即2軍行きを通告することも予告した。

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小笠原ヘッドは秋季キャンプ初日を終えると、第一声で「疲れました」と苦笑いした。無理もない。見て、気づいて、助言して、自ら手本を見せて、とフル回転した。最初にアドバイスを送ったのは巨人時代も同僚だった大田。「つえだよ」という特注1・8キロの長尺バットを簡単に操作しながら、身ぶり手ぶりの熱血指導。他にも西川や今井、万波に杉谷と、どんどん話しかけていった。

居ても立ってもいられなかった。「時間もない。1日、2日は黙っていようかなと思ったけど、時間が限られている中で(来季開幕に)間に合うのか。先にアプローチをしておかないと物事が進まないので」。栗山監督からは「小笠原道大を作ってくれ」と言われている。どんな状況にも動じず、結果を出せる強さを持つ選手を育てることが急務で、逆算すれば初日から動くのは当然だった。

選手とは明るく接しながら、今後は厳しさも打ち出していく。今キャンプも「やることは増えると思う」と練習量増を示唆。話は来春キャンプに及び「2月のスタートで、ある程度レベルが上がっていないと困る。できていない選手がいると判断したら、下(2軍)に落ちてもらうこともある」と、オフの自己管理とレベルアップも求めていく。

野手陣を見ながら、合間には投手陣の動きもチェックした。全体に気を使いながら、積極的に選手とコミュニケーションも図った。「初日にしては、いいんじゃないですか? 意外と活気もあった。ここが最低ラインだと思う」。ずっと遠くから見守っていた栗山監督も「新しい空気が入っている。いい風が吹いている」と納得顔。チーム変革のにおいが漂う1日だった。【木下大輔】

▽日本ハム杉谷 分かりやすく体の使い方を教えてもらった。打球から力が逃げているともったいない、ということだった。

▽日本ハム大田 しっかり下(半身)を使って打って、外されたボールも拾ってスイングの幅を広げられたらという話をしてもらった。1つの参考にしていきたい。

▽日本ハム今井 ティー(打撃)のやり方やとらえ方を教えてもらった。(小笠原ヘッド兼打撃コーチのマスコットバットを借りて)自分のと比にならない(重さ)。マスコットのマスコット。

▽日本ハム万波 しっかり足を押し込んでセンターに真っすぐ打ち返すようにと言われました。(左手の皮が)むけちゃいました。振り込んだから、しょうがないです。