阪神北條史也内野手(25)が紅白戦で2点適時打を放ち、熾烈(しれつ)な二遊間のポジション争いの中で存在感を示した。

白組の「3番三塁」で先発出場。3回1死二、三塁の第2打席に結果を残した。紅組2番手藤浪に対し「同級生だし、打ってやろうという気持ちで」。カウント1-0から外角カットボールにうまくバットを合わせた。「『積極的にどんどん行こう』と。全然、いい当たりじゃないですけど、ランナーを返せたので結果的にはよかったです」。右前にしぶとく運んで2人の走者を返した。前日16日の紅白戦に続く、2戦連続安打となった。同キャンプでは、レギュラー奪取へ打撃面に比重をかけている。ヒットゾーンを広げるために取り組んでいる右方向への意識が、結果となって現れた。それでも、続く第3打席では右打ち意識の中で捉えきれずにファウルとなる打球もあり「まだまだ」と、さらに磨きをかける。

矢野監督は北條の打撃内容を「ジョー(北條)らしい、しぶといバッティング。ああいうバッティングというのは、ジョーが試合に出ていく形になると思う」と評価した。この日は三塁を守ったが本職は二遊間。争うライバルには同試合で安打を放った木浪、植田、上本らに加え、右大腿(だいたい)部後方の筋挫傷からリハビリ中の糸原もいる。指揮官は「オプションの中ではジョーもサード、ショートというのはある。内野の中で2ポジションできるというのは、自分のためにもなるしチームのためでもある」。試合に出るために守備で幅を広げつつ、課題の打撃でアピールしていく。【奥田隼人】

▽阪神井上1軍打撃コーチ(北條の安打に)「しぶとさが出た、という意味では二重丸。それ以上のものを、彼には求めていってもらいたい」