今季で退任する慶大(東京6大学)の大久保秀昭監督(50)が有終の美を飾った。高橋佑樹投手(4年=川越東)が7回までパーフェクトの3安打完封。郡司裕也捕手(4年=仙台育英)が先制2ランを含む2安打4打点。関大(関西5連盟第1)を圧倒し、00年以来19年ぶり4度目の優勝を遂げた。

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主将の一振りが、慶大日本一奪取の号砲だった。初回2死一塁、郡司はカウント2-2から関大・森の内角140キロを左翼席へ放り込んだ。「外に見せ球が来て、低めに来て、最後はイン」と捕手らしく読み切った。2-0の8回には2点適時打。マスクをかぶっては、関大打線の打ち気をそらした。右腕森田の先発予定を、前夜に相手打線を再分析した大久保監督が、左腕の高橋佑に代えた。攻守で指揮官の期待に応えた。

今秋リーグ戦開幕前の宣言通り、大久保監督を日本一の監督にした。有言実行に「まさか日本一とは思わなかった。監督に恩返しできて良かった」と正直に打ち明けた。「大久保監督が打者としても、捕手としても成長させてくれました。『大局観をもってリードしろ』と、よく言われました」と感謝は尽きない。大一番でも、快投の高橋佑をリードしながら「7、8回で打たれる」と冷静に分析。8回で完全投球が途切れても、動じず後続を断った。

中日からドラフト4位指名を受けた。「まだ通用するレベルじゃありません。1日1日、頑張りたい。開幕で捕手スタメンを狙っています」。来春も有言実行すべく、次のステージに挑む。【古川真弥】