阪神岩田稔投手(36)が23日、甲子園球場で1型糖尿病研究基金への寄付金贈呈式に出席した。

糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があり、岩田は1型。一般的に知られる糖尿病は主に生活習慣などに原因がある2型。1型は生活習慣とは無関係で、何かのキッカケにより膵臓(すいぞう)からインスリンが完全に出なくなる病気。現在の治療法は絶対的に不足しているインスリンを外部から補充することだけで、毎回の食事に応じたインスリンをその都度、注射や機械により補充している。

岩田は高校2年冬に発症。05年に入団後、09年から1勝につき10万円の寄付を続けている。

18年は0勝に終わり、3勝を挙げた今季は2年ぶりの寄付となった。30万円をNPO法人日本IDDMネットワークに贈った。「3勝ですけど、僕にとっても大きな3勝。また来年、しっかり1つ1つ積み重ねていけたらいいなと思います」。1型を発症しながら、プレーを続けるプロ野球選手は岩田だけ。シーズン中は同じ病気の患者やその家族を甲子園に招待し、交流会も行っている。「(1型の)患者さんや家族は、目標を見失いがちになる。そこで『大丈夫。こんな選手がいるから。みんなも何でもできるよ』というのを示す使命だと、僕は思っている。そこは現役を続けていける限りは、やっていきたいなと思います」。活躍する姿で、勇気と元気を与える。

寄付を始め、09年から積み重ねた勝利は49勝。プロ15年目の来季へ「全然、できると思っている」とローテーション奪取を見据る。

「今年よりかは多く、(勝利を)積み重ねてきたい。そのためにも最初から1軍で投げ続けないと、そういうことはかなわないので。1軍で投げるゲームは必死に、チームが勝てる投球を続けていきたい」と力強く語った。